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漫画『累-かさね-』感想。人間の醜さをリアルに描いててヤバすぎる…。

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はわわっ、羽輪のどかですっ!

今回紹介する漫画は、『累-かさね-』です。

醜い顔を持った少女が、顔を入れ替える力を持つ口紅を使って、己の欲望を満たしていく…といったお話になっています。

この漫画なんというか生々しいですね。人間の醜さがリアルに描かれている作品です。

あまりにリアルすぎて、もうなんか怖いです…。

ということで今回は、人間のリアルな醜さを楽しめる漫画、『累-かさね-』を紹介していきます。

 

漫画『累-かさね-』あらすじ

「伝説の女優」の名をほしいままにした故人・淵 透世の娘・淵 累は、母とは似ても似つかない醜い顔が原因で、周囲の人間から心無い仕打ちを受け続けてきた。

小学校の学芸会で演劇を巡っていじめを受けた累は、生前の母の言葉を思い出して形見の口紅を塗り、いじめの首謀者の美少女に口づけをしたことで、口紅に顔を入れ替える力があると知る。

同時に、口紅の力で脚光をあびた累は、母も他人の顔を奪っていたと直感する。

その後もいじめられながらも、口紅の力で舞台に立つことや美貌から得る喜びを経験した累は、18歳を目の前にしたある日、母の協力者・羽生田 釿互と出会う。

醜い顔のせいで全てを奪われてきた少女・累が、顔を入れ替える力をもつ口紅を使って、美しさを手に入れる物語。

「顔を入れ替える口紅」というアイテムからは、どこかコミカルな印象を受けますが決してそうではありません。

この漫画は、どんなことをしてでも美しさを手に入れ、自分を嘲笑した世界に復讐してやるという執念の物語。

人間の醜さ生々しさがリアルに描写された漫画となっています。

 

漫画『累-かさね-』感想

ドロドロとしたダークな世界観

(©『累-かさね-』)

醜い顔立ちのせいで周囲の人たちに疎まれ続けた女性・累が、口紅の力を使って他人の顔と人生を奪い取っていく…。

こういったストーリーからもわかる通り、非常にドロドロとした雰囲気の漫画です。

この漫画のテーマの一つが「醜さと美しさ」なんですが、この漫画は「美人は得をし続け、ブスは損をし続ける」という、みんな無意識に感じつつも、直視することを避けている真実を何度も読者に突き付けます。

 

例えば1巻では、いじめっ子のイチカが累に恥をかかせるために、累を劇の主人公に推薦します。累は負けじと持ち前の演技力で対抗するのですが、上手くいきません。

しかし、その後、累はいじめっ子のイチカの顔を口紅の力で奪い取ります。

いじめっ子のイチカはかわいらしい顔で人気の少女。かわいらしい顔と演技力があわさった累にクラスメイトは賞賛の嵐。

(©『累-かさね-』)

その時に累は気づきます。「ああ、結局は美しさが全てなんだ…。醜いままの私では誰かに愛されることがないのだ…」

この時から累は決心します。「どんな手を使ってでも美しさを手に入れる。その過程でどんなに他人を不幸に陥れてもかまわない。」と。

虐げられ続ける地獄のような日々から抜け出すために、他人の顔を使って欺きつづける累。

累のどす黒く生々しい執念から生み出される、ドロドロとした世界観は見る者を圧倒しますっ!

 

主人公・累の葛藤

「どんなことをしてでも美しさを奪い取ってやる」と心に決めていた累ですが、その気持ちに次第に迷いが生じます。

ここから、すこしネタバレが入ります。

(©『累-かさね-』)

2巻で累は丹沢ニナという美女に出会います。彼

女は無名の舞台女優で、一流の女優を目指しています。しかしニナは眠り姫症候群という病気を患っており、急に睡魔に襲われ、一度眠ると次にいつ起きるかわかりません。

そこでニナは、眠ってしまった時の代打として累と協力関係を結びます。

しかし、ニナが眠っている間に、累は天性の演技力によって大女優になってしまいました。

そのことをニナは次第に思い詰めるようになり、いつしか自殺未遂にまで発展します。

(©『累-かさね-』)

自殺未遂によって、植物状態になってしまったニナ。

ニナにとっては不幸だが累にとってはこれ以上ない幸運。なぜなら、これで完全にニナとなり替わることができる状態が生まれたのだから…。

しかし、ニナを自殺未遂に追い込み植物状態にまでして、美しさを手に入れるべきなのかと累は葛藤します。

ニナの母親と出会ってからは、その葛藤が一層深まっていくばかり…。

ニナの母親はとても心の優しい女性。そんな心優しい人を一生だまし続けなければいけない…。この状況に、累の心にさらに迷いが生じます。

しかし、醜い顔のせいであらゆるものを奪われ続けてきたのも事実。自分が幸せになるためには、ニナになり替わるしか方法がない。累はこの状況に悩み続けます。

(©『累-かさね-』)

この累の揺れ動く心情や葛藤が、何とも切ないんですよっ!

相手を不幸のどん底にまで突き落とさないと、自分は幸せになれない。

だから相手を犠牲にして自分だけ幸せを手に入れる。でも、そんなことをして得た幸せに意味などあるのか?それは本当の幸せなのか?

悩み続ける累の姿が切なく、読者の心を打ちます。

 

漫画『累-かさね-』感想まとめ

累はドロドロとした世界観と、繊細な心理描写が見どころの漫画ですっ!

この漫画は、人間の欲望の深さや生々しさがリアルに描かれている良作です。正直暗い雰囲気の漫画なので、人を選びます。

しかし、だからこそ普段明るいジャンルの漫画しか読まない人に、読んでもらいたい作品です。きっと新たな扉が開くのを感じれますよ!

ということで今回は、漫画『累-かさね-』を紹介しました。超面白い作品なので、気になった方は、ぜひチェックしてみてくださいっ!

 

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羽輪のどか

1年に1000冊以上のマンガを読んでるマンガ大好き小学生! 「ちょっとマイナーだけど実は面白い!」そんなマンガを紹介していこうと思いますので、よろしくお願いしますっ!

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