はわわっ、羽輪のどかですっ!
今回紹介する漫画は『ぼくらのへんたい』です。
この漫画は、セクシュアルマイノリティに悩む男の娘の切ない恋愛を描いた作品になっています。
淡いタッチの絵柄。
生々しくも繊細な心理描写。
そして、淡くて美しい少年たちの恋物語…ああ、どれも最高ですっ!
ということで今回は、切ない男の娘漫画『ぼくらのへんたい』を紹介していこうと思います。
目次
漫画『ぼくらのへんたい』あらすじ
主人公・青木裕太は自分のことを女の子だと思っている男の子。
ある日、裕太はインターネットの女装コミュニティのオフ会に出席することになった。
裕太は「まりか」としてオフ会に出席し、そこでユイ(木島亮介)とパロウ(田村修)という二人の女装少年に出会う。
(©『ぼくらのへんたい』)
その後、まりかとパロウはすぐに打ち解け女装談義で盛り上がるも、ユイは唐突に「お前らなんで女装してんの?」と二人に質問する。
それに対して、まりかは「女の子になりたいから」と答え、パロウは「好きになった男に女装してほしいと言われたからと答えた。
それを聞いたユイは「キモイ」と言って、オフ会を立ち去ってしまう。
好きで女装をしていないユイは、自ら好んで女装をしているまりかとパロウのことが理解できなかったのだ。
(©『ぼくらのへんたい』)
オフ会終了後、ユイは女装コミュニティを退会してしまっていた。
しかし、偶然にも裕太は入学した中学校で、再び木島亮介(ユイ)と出会うこととなる。
それ以降、裕太、亮介、修の3人は再び集まるようになり、次第にお互いに恋愛感情を抱くようになっていく…。
こんな感じの漫画です。全10巻で完結しています。
漫画『ぼくらのへんたい』感想
少年が抱える複雑な事情
『ぼくらのへんたい』では佑太(まりか)、亮介(ユイ)、修(パロウ)の3人の男の娘を中心に物語が進むのですが、彼ら3人は複雑な事情を抱えています。
(©『ぼくらのへんたい』)
まず、主人公の佑太は性同一性障害を抱えており、幼少の頃から自分を女の子なんだと思って過ごしてきました。
しかし、成長するにつれ「そんなことを考えている自分はおかしいのではないか」という思いを抱き始め、悩み続けます。
しかし、どうしても自分のことを男だと思えない佑太は女装をし、「まりか」として生きることでなんとか自己を保つことができている…といった感じです。
(©『ぼくらのへんたい』)
次に亮介(ユイ)ですが、彼は「死んだ姉の身代わり」になるために女装しています。
彼は、姉の「唯」が死んだことによって精神を病んだ母のために家では常に女装し、「ユイ」として過ごしているのです。
しかし、母が自分のことを見てくれず、死んだ姉のことばかり見ている現状に耐えられるはずもなく、亮介は苦しみ続けています。
彼らはこういった事情を抱えています。
こうして見てみると、めちゃくちゃ重たい事情を抱えていますね。
(©『ぼくらのへんたい』)
この重たい事情のせいで、彼らはみんな確固とした自己を持てずいるんですよ。
思春期の少年少女と言えば、アイデンティティというものが不安定になってしまう時期の真っ只中を過ごしている存在です。
だから、多かれ少なかれ精神が不安定になってしまうもの。
しかし、佑太たち3人は普通の思春期の子供たちと比べて、置かれている状況がかなり特殊なので、輪をかけて精神が不安定になってしまっています。
彼らの抱える問題は簡単に解決できるものではありません。
だからこそ裕太たちは悩み、もがき苦しみます。
そんな複雑な悩みを持つ3人が出会い、お互いにぶつかり、傷つけ合い、やがて「自分」というものを見つけていく…。
その過程を丁寧に描いているのがこの作品の魅力です。
裕太、亮介、修…それぞれの恋愛感情
(©『ぼくらのへんたい』)
『ぼくらのへんたい』では、物語が進むにつれて3人が互いに恋愛感情を抱くようになります。
好意のベクトルを示すと、裕太→修→亮介→裕太という感じ。
この男の娘同士の複雑な恋愛模様が、ものすごく美しいんですよ。
普通の恋愛の場合、一目惚れだったり性格が好きだったりして恋愛に発展すると思うのですが、彼らの場合はおそらくそれだけではありません。
たぶん、彼らは「女装をしている」という特異な存在である自分を、認めてくれる相手を求めているのでしょう。
そして、それを真になしえるのは自分と同じ「女装をしている」者だけ。
だから、裕太たち3人はお互いに恋心を抱き始めるのです。真に自分を理解してくれる相手を求めて…。
(©『ぼくらのへんたい』)
しかし、悲しいことに3人の中で一人も両思いは存在しないのです。
求めても求めても決して手に入らない「恋人」という関係性…。
それを求めて、もがく彼らの姿が切なくて切なくてたまりません。
『ぼくらのへんたい』は心理描写がめっちゃ繊細でさあ…心がギューッってなって仕方ないのよ。
もう、切ないレベルが強すぎてヤバい。
ちなみに僕は、修と亮介の関係性が好きなんですよ。なぜなら一番切なくて美しいから。
亮介はこの3人の中で、唯一女性が恋愛対象のキャラクターです(裕太に対してのみ例外)。
そして、もっとも正義感にあふれたキャラクターでもあります。
一方で修は幼少期にトラウマを抱えており、そのせいで性的関係を持つことでしか好意を表現できないという、暗いキャラクターになっています。
(©『ぼくらのへんたい』)
ある時、この二人は互いにぶつかり合いうことになるんですが、その時の展開がもう切なくて切なくて、心がキュンキュンします。
感情をあらわにして本心をぶつける少年たちの姿は、とても不格好で痛々しい。
でも、その粗削りな感じが、すっごく心に響くんですよ。ああ…美しすぎる…。
このように、漫画『ぼくらのへんたい』は男の娘同士による三角関係が切なくて美しくて、キュンキュンしてしまう作品なのです。
爽やかな読後感
(©『ぼくらのへんたい』)
全10巻で完結となる『ぼくらのへんたい』ですが、ものすごく良い終わり方をします。
もうね、傷ついて傷ついてボロボロになりながらも、しっかりと道を歩み続けた3人に拍手を送りたい。
よく、ここまで成長したものだよ…なんて君たちは尊いんだ!
その尊さに、ちょっと泣いちゃったよ…。
また、ちょっと余韻を含んだエンディングなのもいいところですね。
ああ、君たちはこれからどんな風に人生を歩んでいくのだろう…。
ずっとそれを見ていたいけれど、僕はもうここで君たちとはお別れなんだね…。
そんな少し切なくも爽やかなエンディングが、心にグッときました。
漫画『ぼくらのへんたい』感想まとめ
漫画『ぼくらのへんたい』は、美しくも切ない男の娘たちの恋模様にキュンキュンしてしまう漫画ですっ!
もう、ほんと心理描写が素晴らしすぎてたまりませんよ。
あの丁寧な心理描写があるからこそ、こんなにも心を揺さぶられる作品になっているんだろうなと思います。
切なくて切なくて最高!
漫画『ぼくらのへんたい』は、こんな人におすすめ!
- ・繊細な心理描写の漫画を読みたい人
- ・セクシャルマイノリティ関連に興味がある人
- ・男の娘好きの人
ということで今回は、漫画『ぼくらのへんたい』を紹介しました。
超面白い作品なので、気になった方は、ぜひチェックしてみてください!
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