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漫画『かくかくしかじか』感想。大人気漫画家の半生を描いた感動のヒューマンドラマ!

更新日:

はわわっ、羽輪のどかですっ!

今回紹介する漫画は『かくかくしかじか』です。

この漫画は、海月姫』や『東京タラレバ娘』で知られる大人気漫画家、東村アキコ先生の自伝となっています。

この漫画がもう、泣けるのなんの。

東村アキコ先生と彼女の恩師・日高先生の関係がたまらん…。

どんだけ泣かせやがるんだちくしょう。

という訳で、今回は泣けるヒューマンドラマ漫画『かくかくしかじか』を紹介していこうと思います。

 

漫画『かくかくしかじか』あらすじ

 

勉強もせず、ただただ美術部で絵を書いていた女子高生・東村アキコ。

彼女はもうすぐ大学受験だというのに将来のことを何も考えていなかった。

「勉強苦手だけど、でも絵が得意だから何とかなるでしょ。よーし、美大を受けよう!」という軽い気持ちで美大受験を決めたアキコ。

この時点で、美大なんて余裕で受かるという自信過剰っぷりであった。

ある日、同じく美大を受験するクラスメイト・二見に紹介され、アキコは絵画教室に通うことに。

意気揚々と絵画教室に通うアキコであったが、そこで出会ったのはとても美術教師とは思えない男であった。

そして、ジャージに竹刀をもった美術教師・日高健三はアキコの絵を見るなり言い放つ。

(©『かくかくしかじか』)

これが人気漫画家・東村アキコと彼女の恩師・日高健三の出会いであった…。

こんな感じの漫画です。全5巻で完結済みです。

 

漫画『かくかくしかじか』感想

ノスタルジックな雰囲気

漫画『かくかくしかじか』は、作者であり主人公の東村アキコの学生時代~現在までを描いた漫画です。

基本的には学生時代から現在へと話が進むのですが、たまに現在の東村アキコが過去の自分を振り返る感じで話に割り込んできます。

「あの頃の私はなんて馬鹿だったんだろう。今になって気づいてももう遅いけれども…」みたいな感じ。

(©『かくかくしかじか』)

この、今の自分が過去の自分に対して思う気持ちを、吐露するというスタイルがですね、とてもノスタルジックでしみじみと心にくるんですよ。

(©『かくかくしかじか』)

また、この漫画では、作者の生まれ故郷である宮崎県が多く登場します。

宮崎県ののどかで美しい風景。穏やかでやさしい空気感。

でもちょっと寂しい夕暮れ時…。

そんな、宮崎県の片田舎の幻想的な空気感が、ただでさえノスタルジックなこの漫画をさらにノスタルジックなものにしています。

ああ、この儚げな感覚がたまんない。

ノスタルジックな感情に浸るのが好きな人におすすめな漫画ですね。

 

日高先生が本っっ当に泣かせる

日高先生は町中で絵画教室を開いている先生なんですが、まるでチンピラというかヤクザみたいな感じの人なんですよ。

とても美術の先生だとは思えない人です。

(©『かくかくしかじか』)

絵画教室では常に竹刀をもって仁王立ち。

生徒たちにひたすら喝を入れ、何回も何回も上手くなるまで同じものを描かせ続ける美術の鬼です。

マジ、スパルタ教師。

また、白黒ハッキリしないことは大嫌いな性格で、常に人生を本気で生きているタイプの人間です。

そんな強烈な個性をもっている日高先生にアキコは当初困惑し、一度は仮病を使って逃げ出そうとします。

(©『かくかくしかじか』)

すると、その時、なんと先生はアキコをバス停までおぶっていってくれたのです。

バス停までかなり距離があるにもかかわらずです。

そして、さらにはバスが来るまでの1時間の間ずっとそばにいてくれました。

そうなんです、日高先生は口は悪いしヤクザみたいだけど、めちゃくちゃお人好しなんです。

この日高先生のお人好しエピソードがすっげえ心に刺さります。日高先生マジいい人…。

(©『かくかくしかじか』)

他にも、アキコが精神的に病んで部屋に引きこもっている時に、家に駆けつけてくれるシーンとか、すげえよかった。

原チャリで1時間以上かかる距離を、しかも炎天下の中駆けつけてくれるんですよ。

どんだけいい人なんだ。

そんな実は優しい日高先生ですが、いかにもお人好しですよ~って感じじゃないのがすごくいい。

「俺は俺の思うがままに行動してるだけだ。」というスタンスがたまりません。

そんな日高先生なのですが…。

ここから少しネタバレになります。

物語の最初辺りから、暗に示されているネタバレなので。読んでもそんなにダメージないかと思います。

しかし、絶対ネタバレ嫌!っていう人はここでブラウザバック推奨です。

なんと日高先生はお亡くなりになられてしまいます。

超キャラの濃い日高先生が死んだときの、喪失感は本当にヤバかったですね。

今まで強烈に印象に残っていた分、失われた時の反動が大きくて大きくて。

もうね涙なしでは見られないですよ。

死の間際の先生が、アキコの後輩の今ちゃんに言ったセリフとか、もう心が震えてたまらなかった。

あの短い一言でこんなに心揺さぶられるとは…。

亡くなった後も、先生の教えがアキコの中でずっと生きているっていうところも、すごくいいです。

こうやって人の思いというのは、後世に引き継がれていくんだなあ…しみじみ。

読者自身もまるで本当に大切な人を失ったかのように、ぽっかりと穴が開いてしまう。

そして大泣きしちゃう。そんな最高に泣ける漫画です。

 

実話だからこそ出せるリアリティ

漫画『かくかくしかじか』は漫画家・東村アキコの自伝であり、全て実話です。

ですから、ご都合主義のような展開は一切ありません。

もしこの作品が創作だったなら、アキコは先生ともっとマシな別れ方をできたのでしょう。

最後にきちんと思いを伝え、お別れの言葉を言うこともできたかもしれません。

しかし、この話は全て実話。全てが丸く収まるハッピーエンドなんてないし、すごく美しい悲劇の物語もない。

先生が死んだ後もアキコたちは、自分の人生をただただ生きていかなくてはならないのです。

この、実話だからこそ出せるリアリティがたまりません。

(©『かくかくしかじか』)

きっと東村アキコ先生は今でも、先生のことを考え、思い悩んでいるのでしょう。それはすごく苦しいことなのかもしれまえん。

しかし、そういった苦しみとか先生との楽しかった思い出とか、全部ひっくるめて受け入れて、己の人生を歩んでいく…。

その姿は言いようもないほど美しい。

空想ではなく等身大の世界だからこそ、出せるこの迫力。言わば、生身の人間が生み出す生の美しさ。

そんな人間の持つ、尊い部分を存分に感じることのできる名作です。

 

漫画『かくかくしかじか』まとめ

漫画『かくかくしかじか』は、最高に泣けるヒューマンドラマ漫画ですっ!

読み終わった今でも、ついつい思い出し泣きしてしまいます。

それぐらい心に響く漫画でした。

 

漫画『かくかくしかじか』は、こんな人におすすめ

・とにかく泣ける作品を読みたい人

・人と人のつながりを丁寧に描いた作品を読みたい人

・東村アキコ先生のファンの人

 

ということで今回は、漫画『かくかくしかじか』を紹介しました。

超面白い作品なので、気になった方は、ぜひチェックしてみてくださいっ!

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少しマイナーな漫画が多めに入っているので、もしかしたらまだ見ぬ面白い漫画に出会えるかもしれませんよ♪

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羽輪のどか

1年に1000冊以上のマンガを読んでるマンガ大好き小学生! 「ちょっとマイナーだけど実は面白い!」そんなマンガを紹介していこうと思いますので、よろしくお願いしますっ!

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