はわわっ、羽輪のどかですっ!
今回紹介する漫画は『天地明察』です。
この漫画は、江戸時代の偉人・渋川春海(しぶかわ はるみ)の改暦事業を描いた物語となっています。
普段何気なく使っている暦が、当時の人たちの血のにじむような努力の賜物だと知った時は、思わず胸が熱くなりましたね。
ということで今回は、暦にまつわる歴史漫画『天地明察』を紹介します。
目次
漫画『天地明察』あらすじ
(©『天地明察』)
とある所に、数学、暦学、天文学などに優れた人物がいた。
彼の名は、渋川春海(しぶかわ はるみ)。またの名を安井算哲(やすい さんてつ)と言う。
彼は超がつくほどの数学バカで、数学のことばかり考えていた。
ある日、春海は友人から算額絵馬というものを教えてもらう。
算額絵馬とは、数学の問題が書いてある絵馬のことだ。
この絵馬を使っての数学の問題の出し合いが、当時、神社で流行っていたのだ。
数学好きの春海がこれを逃すはずがない。
ウキウキ気分で神社に向かった春海は、そこで、数学の天才・関孝和(せき たかかず)という男を知ることになる。
(©『天地明察』)
こんな感じの漫画です。全9巻で完結しています。
漫画『天地明察』感想
演出の魅せ方が上手い
画力が高いのは言うまでもないのですが、漫画『天地明察』は演出の魅せ方が抜群に上手いです。
算術(今でいう数学のこと)という地味なテーマを扱った漫画にもかかわらず、躍動感あふれる演出によって、常にワクワクしながら読める作品になっています。
(©『天地明察』)
こちらは主人公・渋川春海が、尊敬する数学者・関孝和の本を読むシーン。
ただ数学の本を読むだけのシーンで、この迫力ですよ。
ちなみに、このシーンは、同年代でありながら自分よりはるかに上を行く関孝和に、悔しさを感じながらも、教えを請うように彼の著書を読むといった場面です。
「何としてでも、関孝和に追いついてみせる!」という春海の気概が見える、非常にいいシーンですね。
(©『天地明察』)
数学の問題を出し合う真剣勝負でのワンシーン。
このとき春海は致命的なミスをしてしまい、切腹を試みるほどショックを受けます。
数学に真剣だからこそ、彼は決して許されないミスをした自分に深く絶望し、怒りを覚えているのです。
達筆な「無形」の文字が、独特の美しさと躍動感を見せていますね。
(©『天地明察』)
己の夢を大いに語る老人。その姿はとても美しい。
このシーンでは、春海たちは、ちょうど北極星を見に行っているときだったので、胸に天体を抱きしめている描写が北極星と重なり、より一層美しく感じられます。
このように、漫画『天地明察』は演出の魅せ方が抜群に上手いです。
なので、常に心の奥底をふつふつと興奮させながら、読むことができます。
常に一生懸命な主人公・渋川春海が美しい
春海は、言ってしまえば「数学バカ」です。
四六時中、数学のことばかり考えて、頭をうならせている変人です。
しかし、大好きな数学のことを考えて、目をキラキラさせている春海の姿は、見ていてなんだか幸せになれます。
やっぱり好きなことを一生懸命にやってる人って、美しいんですよね。活力にあふれているというか、オーラが出てるというか…。
まるで、子供のように無邪気に数学と戯れる春海の姿は、日本人が忘れがちな「好きなことをやる」ことの大切さを思い出させてくれます。
(©『天地明察』)
そんな数学大好き人間の春海は、ある時、幕府から改暦事業をするように言い渡されます。
当時、日本で使われていた暦は誤差が激しいものだったので、正確な暦が必要だったのです。
また、「帝が民にお与えになるもの」である暦を、幕府が作ることで、幕府が朝廷から権力を奪うといった狙いもありました。
そんな責任重大な仕事を与えられた春海は、仲間と共に改暦事業に邁進します。
改暦事業では、大好きな数学の知識を存分に使うことができて、春海は大変ながらも充実した生活を送ります。
しかし、楽しい日々は長くは続きません。
あまりにも膨大な作業量。改暦を拒む朝廷からの、妨害工作。暦の計算が合わない…などなど。
これらによって作業が滞り、気づけば改暦作業を始めてから、10年近くの月日が流れていました。
(©『天地明察』)
しかし、春海は改暦事業を諦めません。
どれだけ失敗しても、何度失敗しても、次はどうするべきか?を考え続けます。
諦めずに一生懸命にやり抜く彼の姿は、とてつもなくカッコよかったですね。
もう、かっこよすぎて若干うるっと来ちゃったもん。
ずーっと傍で春海が頑張り続ける姿を見ているわけですから、そりゃ涙腺にきますよ。
そんな、好きなことを一生懸命にやり抜く主人公・渋川春海に、心を打ち震わされる漫画となっています。
受け継がれていく思い
改暦事業は、10年以上もの歳月がかかる過酷な事業でした。
ですから、途中で寿命を迎えてしまう者達も出てきます。
彼らは志半ばで、この世を去ることになります。
彼らは悔しさに打ちひしがれ、失意の中で亡くなったのでしょうか?
答えは否。
彼らの最後の顔は、とても満ち足りたものでした。
なぜなら、愛する者達に、自分の思いを託すことができたから。
(©『天地明察』)
そして、その思いは残された者に受け継がれ、やがては実現されていくのです。
この、人の思いが受け継がれていくシーンは、僕の心に深く刺さりましたね。
その尊さに、心の奥底がジーンと熱くなったのを覚えています。
漫画『天地明察』では、主人公以外のキャラクターも非常に魅力的です。
そして、彼らが夢を追って頑張っている描写が丁寧に描かれています。
ですから、読者は彼らに感情移入してしまうんですよ。
そんな状態で、思いを託されてしまったらさあ、もう泣くしかないじゃん。
絶対、その思いを無駄にはしねえ!って立ち上がるしかないじゃん!
そんな感じで、ついつい目頭が熱くなってしまいました。
(©『天地明察』)
改暦事業は長く苦しいものです。
だから途中で脱落しそうになる。
しかし、託された思いを思い出して、残された人々は頑張るんですよ。
この時、亡くなった人たちは、その思いを通して、ずっと残された者の中で生き続けるんだなあと思いました。
離れ離れになっても、ずっと僕たちと一緒にいるんだなって。
そういうことを思い始めたら、また涙腺にくるんですよね。
本当にしみじみと泣けるわ、この漫画。
漫画『天地明察』は、「人の思いはとても尊い」ということを確かに実感できる作品ですね。
漫画『天地明察』感想まとめ
漫画『天地明察』は受け継がれていく人の思いに、感動してしまう歴史漫画ですっ!
受け継がれていく人の思いが尊すぎて、思わず泣いてしまう作品でしたね。
控えめに言って最高ですっ!
漫画『天地明察』は、こんな人におすすめ!
- しんみりと感動できる作品を読みたい人
- 良質なヒューマンドラマを見たい人
- 夢を追い続ける勇気が欲しい人
ということで今回は、漫画『天地明察』を紹介しました。
超面白い作品なので、気になった方は、ぜひチェックしてみてくださいっ!
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